使用用途に応じてのれんのサイズを変更して、使い勝手と見栄えを両立させることが重要になります。

例えば店の中を程良く見せたいのならば、長さはやや短めに設定して半すりガラスのガラス戸を出入り口にするのが定番です。
逆にあまり見せたくない場合には長物のれんを使い、風にたなびかないように糸で張って使うこともあります。使用目的によってこうしたサイズや長さ、固定するか風になびかせるかなどを選択することがおすすめです。巾は通常は極端に長いことも短いこともなく、出入り口の扉と同じかやや巾広程度のサイズ感が定番になっております。

他にもデザイン性の高い水引きや、短いハーフタイプなども良く使われているサイズになっているのです。縁起物を古来から大切にしてきた日本人は、季節に合わせて装いを変化させるようにのれんを変えることがありました。

模様替えのようなもので、夏場には涼しい色を使ったり冬場には暖色系のカラーに変更して、お客様の目を楽しませるおもてなしをしてきました。良く居酒屋には赤ちょうちんがぶら下げられており、赤いカラーを出入り口に用いるのは厄除けや家内安全などの意味合いがあったと言われております。

模様替えのれん

のれんは魔よけや縁起物にも使われる

適切な大きさの服を着ることは、人間では当たり前のことになります。しかし現在は多様化の時代であり、自分よりも大きなサイズの服を着用することも珍しくはありません。

反対に小さめのサイズを強いフィット感で着用するのも好みの問題になります。時代によって流行や好みに変化が生まれ、洋服のサイズ感も異なるのです。

のれんは流行のサイズ感はありませんが、例えば和風の割烹料理店では藍色や白色の短い布が使われていたり、居酒屋では赤ちょうちんや赤い布が使われているケースが多くなっております。清潔感や伝統を感じさせたり、魔よけの意味合いなどがこうした色合いには意味づけられているのです。またサイズに関しては目隠し効果の高いブランインド効果があるのは、巾広で長い布になります。

縁起のれん

ドアよりもフレキシブルに空間を仕切り、風通しは良くそれでいてドアのように開閉せずとも出入りが自由になるのです。実際には布一枚で仕切られていても、空間を仕切る意味は心理的にも視覚的にも高くなります。

病院の大部屋でもカーテンで仕切ればパーソナルスペースになりますし、そういった意味でののれんの効果は高いのです。屋号としても使えるので看板的な意味合いも持っております。